ビッグモーター不正問題とは
ビッグモーターは、中古車販売大手であり、事故車修理における保険金を不正に水増し請求していた問題が発覚しました。
この問題で、損害保険ジャパンとの癒着疑惑が一段と強まってきたようです。
ビッグモーターは、全国に33あった整備工場のうち、すべての工場において事故車修理費用の水増し請求の疑義があったことが認定されています。
全33工場で水増し請求の疑義
全国に33あった整備工場のうち、すべての工場において事故車修理費用の水増し請求の疑義があったようです。
その主な手口は、工場長などの指示に基づいて損傷のない車両のパネル部分に板金塗装を施し、修理費用を水増し請求するといったものだったといいます。
ビッグモーターは、その真因は「工場と見積作成部署との連携不足や、作業員のミスなどによるもの」「意図的なものでないことを確認している」とし、不正ではなく、あくまで過失によるものだと主張していました。
ビッグモーターの幹事会社である損害保険ジャパンは、その主張を全面支持するかたちで、それまで各社が停止していた修理取引を抜け駆けするかのように再開していた経緯があります。
しかし調査委は、役員をはじめとした本社サイドが各工場に過度な営業ノルマ(粗利)を課し、現場の社員たちが水増し請求に手を染めざるを得ないような状況に陥らせていた側面があると断定しました。
損害保険ジャパンとの癒着疑惑
損害保険ジャパンとの癒着疑惑については、ビッグモーターの出向者が、ビッグモーターによる不正請求につながった工場の営業ノルマを黙認していたという報道があります。
また、ビッグモーターは、損害保険ジャパンとの癒着疑惑があることを認めており、損害保険ジャパンも、同社の出向者が関与していたことを認めています。
調査結果を受けて、今後は保険金詐取といった刑事事件に発展する可能性があるが、その前段階として焦点となるのが、不正請求の全容解明と、損保ジャパンとの“癒着”です。
損保ジャパン、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険の3社で、事故車修理の取引は年間3万件超あったとされます。そのため全容解明にはまだ数か月かかりそうです。
そうなると、水増し請求のせいで余計な費用を支払ったり、等級の引き下げで保険料が値上げになったりといった被害を受けた顧客への対応は、その期間だけ後ずれすることになります。
折に触れて時間稼ぎをし、世間の関心が薄れるのを待つかのような対応を続けていると、企業としての信頼を完全に失い、ひいてはその存続も危ぶまれる事態になりかねません。
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